PBM ‐「記憶」に残る、伝説のゲームを「記録」にするプロジェクト
いまから30年以上前の1988年。神奈川県相模大野で設立されたゲーム会社「遊演体」は、インターネットという概念が出てくる前に、「大規模コミュニケーションエンターテイメントを実現しよう」と『ネットゲーム‘88』というゲームを作り出しました。
数百人から数千のプレイヤーが1つの仮想世界でRPGをするこのゲームは、当初は「ネットゲーム」と呼ばれていましたが、後の電子ネットワークを使ったゲームとは区別されるようになり、「Play by Mail(PBM)」と呼称されるようになります。
やりとりの手段こそ郵便でしたが、その根本は後のMMORPGの包含すらも目指した壮大なもので、熱狂的なファンを獲得しました。
その後、当時のRPGブームにも後押しされる形で、多くのPBM会社が設立されました。郵便だった媒体は、通信技術の発展とともに、Eメールを使用したPBeM、インターネットを活用したPBWへとゲームシステムは進化を続け、PBM出身のクリエイターが大規模オンラインゲームの制作などにも関わるようになりました。
本年30周年を迎えた『蓬莱学園の冒険!』『クレギオン#1 遥かなるアーケイディア』から始める形で、PBMという一時代を記したゲーム資料の散逸を防ぐためのアーカイブを作ろうというのが、本組織の目的です。